ISPA(International Sail and Power Academy)について
ISPAは、1993年カナダにおいて設立され、セーリングとパワーボートにおけるインターナショナル・サーティフィケート(技量証明)の発行、トレーニングシステムの開発、運用、ならびにインストラクターの管理を行っています。
ISPAサーテフィケートは、世界各地のチャーター会社で技量証明の役割を果たしているとともに、一部の国のナショナルライセンスとしても認証されています(詳細は、ispa.comを参照)
※ ISPA は、カナダ運輸省、カナダコーストガードから良質なトレーニングプログラムとして公式に認められているとともに、ISPA ディスキッパーサーテフィケートはカナダ、クロアチア、バハマ諸島、クィーンズランド州(オーストラリア)でナショナルライセンスの代替ライセンスとしてそれぞれの国の政府に認められています。
ISPAトレーニングプログラム
ISPAトレーニングプログラムでは、基本的にヘルムスマンとクルーの2人で安全に操船するスキルを習得することを目的とし、スキルに応じたコースが用意されています。ISPAトレーニングプログラムの主な特徴は次の通りです。
1.シングルライン ドッキング
海に出る機会を増やすには、2人で安全かつスムースにドッキング(離岸、着岸)が出来ることが重要です。ISPAでは、シングルライン(1本の舫い)だけで船を安定させ、2人、さらにはシングルハンドでも効率的かつ安全にドッキングができる方法を学びます。上級者はシングルハンドで行う方法、他、シングルラインによる応用ドッキングを身につけます。
2.さまざまな状況下でのアンカリング
風、潮、地形により難しいアンカリングを合理的に行えるようトレーニングします。
素晴らしい入り江でのんびり、かつ安全に過ごすことができるようになります。
3.落水者救出法(クイックストップ&リターンMOB:Man Over Board)
ISPAでは、なるべく落水者から離れず、落水者の周りを回ることを第一としたクイックストップ&リターン救出法をトレーニングします。
4.安全なジャイビング
事故が起こりやすいジャイビングでも、ヘルムズマンとクルーの2人で、もっとも安全に、かつ確実に行う方法を身につけます。
ISPAトレーニングプログラムの全6コース
ISPAで提供しているトレーニングプログラムは全6コースあります。各コースの概略は以下になります。このうち、当スクールにて提供するコースは次の3コースです。
●コンピーテントクルー
●デイスキッパー
●コースタルナビゲーション
コンピーテントクルー(Competent Crew:CC)
■サーティフィケート(技量証明)のレベル
クルージングセールボートに乗船し、クルーとして活動するために十分、かつ緊急時にはスキッパーの代替可能な知識と技術を持っていることを証明します。
● 服装、ヘビーウエザーギアと標準装備、最低限の安全装備類
● セールボート各部名称、コックピット&キャンパス、リギン、クリート、ブロック等使い方● ウィンチの安全な使い方
● 基本的なメインセール&メインシートシステム、トッピングリフト
● ベンドオン(出航準備)
● メインセールを上げる手順、リーフィングと解除、収納、ハリヤードシステム
● フォア(ジブ)セール手順と仕組み
● ポイントオブセーリング(風と船との関係)、セールトリムの基本
● セーリング・バイ・ザ・リー、アクシデンタルジャイビングについて
● 安全なエリアと危険なエリア、ジャックラインとハーネス、リスクマネージメント
● ライフジャケット、PDF、冷たい水での落水サバイバル、ハイポセラミア(低体温症)
● MOB(落水者救出法)クルーの役割、対処法
● MOB・ウィリアムソンターン、MOBアンダーソンターン、MOBの引き上げ方
● 遭難信号、フレアーの使い方、イーパブ、ナビーゲーションライト
● プロパン、バッテリー、エンジンシステム、マリンヘッド、ギャレーの使い方
● 国際VHF交信、国際航行ルール
● アンカリングにおけるクルーの役割
● ドッキングにおけるクルーの役割
デイスキッパー(Day Skipper:DS)
■サーティフィケート(技量証明)のレベル
沿岸10海里以内を日中・良好な天候の下、クルーと船の安全に責任を持つスキッパーとして必要な知識・技術を持っていることを証明します。
● デイスキッパーとしての航行プランの立て方、パイロッティング、ブリーフィングの仕方
● セーリング全般、ポイントオブセーリング(風との関係)
● セールトリム(セールのコントロール)、リーフィング
● ドッキング全般
● シングルラインドッキング(船を一本の舫いで安定させ、ドッキングする方法)
● 潮、風、天候、さまざまな状況下でのドッキング技術、プロップウオークの理解
● アンカリング全般、手順、海図、地形の見方、良好なアンカリング場所の選び方
● 海底の質、地形、潮汐、潮流、風、様々な状況下での、様々なアンカリング法
● 国際航行ルール、ブイ、デイビーコン、カーデナルシステム、フォグシグナル、ラテラルシステム
● 国際海上衝突予防法、コリジョンベアリング、視界不良時、狭い水路、追い越し
● 潮汐計算の基本
● 気象の基本、気象情報の取り方
● MOB全般 クイックストップ・クイックリターン法、緊急対処法
コースタルナビゲーション(Coastal Navigation:CN)
■サーティフィケート(技量証明)のレベル
安全な港湾から25マイル以内の海域を、チャート・ハンドベアリングコンパス・GPS、及びナビゲーション関連情報類を使用して安全な航行のためのナビゲーション知識・技術を持っていることを証明します。
● 海図の読み方全般 ハンドベアリング及びプロトラクターの使い方
● 航行プランニング ブリーフィング方法
● 国際航行ルー全般、衝突回避法、ナイト航行におけるルール
● 暗礁危険域の回避方法、各浮標、灯台が記す意味の読み取り
● 潮汐表の計算
● 海流表の読み取り
● 沿岸部の地形と気象の関係
コースタルスキッパー(Coastal Skipper Advanced Sail:CSAS)
■サーティフィケート(技量証明)のレベル
安全な港湾から50マイル以内の海域をスキッパー/ ナビゲーターとして船とクルーの安全に責任を持ち、良好な天候の下に昼夜を問わず航行するために必要な知識と技術を持っていることを証明します。
● 中級セーリング技術 (クローズホールド、ジャイビング等の確実な習得)
● 中級ドッキング技術 (ループを使ったワンラインドッキング、ドッグアウトなど)
● 安眠できる様々なアンカリング技術 (バハミアン、ダブル、スターンラインなど)
● ナビゲーション全般 ナイト航行の仕方、ナイト航行ルール
● MOB(落水者救出法)全般
● エンジン、電気、ガス、各種緊急処置など
オフショアマスター(Offshore Master:OFM)
■サーティフィケート(技量証明)のレベル
沿岸150マイル以内の海域を船とクルーの安全に責任を持つスキッパー・ナビゲーターとして、昼夜を問わずあらゆる天候状況の中を航行する知識と技術を持っていることを証明します。
● さまざまな状況下でのセーリング、ドッキング、アンカリング
● ナイトセーリング、ナイトナビゲーション、レーダー、デジタルナビゲーション
● 視界不良時トレーニング
● ヘビーウエザートレーニング
● エンジン、電気系統、メンテナンス、応急処置法
● 荒天時を想定したMOB
● エンジン停止時を想定したセーリングだけで行うドッキング、アンカリング、対処法
オーシャンマスター(Ocean Master:OM)
■サーティフィケート(技量証明)のレベル
外洋航行に際し、船とクルーの安全に責任を持つスキッパー・ナビゲーターとして、昼夜・あらゆる天候状況の中を航行する知識と技術を持っていることを証明します。
● 全てにおける状況下での航行に対する更なる高度な技術の取得を目指します。